[SIJ: 22613] 2020.除夜の円坐ご案内

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2022年 11月 21日 (月) 10:36:34 JST


皆様へ。

 

世界や人類が、そして我々個々の人生が、

重要な節目として通り抜けようとしている2022年、

令和四年度の年の暮に、

京都と大阪の間に位置する高槻市にて3泊4日の円坐を開催いたします。

 

円に坐ると同時に円坐そのものが奏で始める「織りなす関係性」の舞台。

 

坐衆が交わす言葉の一つひとつの息遣いと響き合いによって

我々の意識は現在から過去へと広がります。

 

やがて背景に「魂の未来」まで浮き上がってくるような円坐舞台の奥行きは、

言葉だけで表現するのは困難です。

 

しかし最近、日本の「アニメ文化」が得意とする時空を超えたインスピレーションや

斬新な映像表現を観ていると、

僕が経験してきた円坐舞台の世界観や宇宙観に重なる視点が多く、感心することしきりです。

 

アニメ作品は、日常生活の制約を離れて飛躍的に想像力を羽ばたかせることができる

自由な映像空間に成立しています。

 

そのため、学問としての心理学よりも身軽に、我々の人間関係のナマの現実や、

常識的な「時間性」を超えた真実に、精神的な表現として触れることに成功しているように思います。

 

「円坐」という結界された時空間(円坐舞台)に坐ると、

坐衆の方々がその所作や言葉、あるいは沈黙の坐姿から色とりどりの輝きを「発揮」します。

 

それは優れたアニメ作品の色彩表現と類比することができます。

 

アニメと同じく円坐舞台でも、登場人物としての坐衆方が

時間の経過とともに実体を伴った精神存在としての輪郭を結び始めます。

 

「輪郭」とは当の本人には見えない精神的な「照明」のことで、

坐衆や舞い方の「背後」から球形に立ち上がっているように感じられます。

 

アニメでも人物から発する光が描きこまれるのは基本的な表現で、

放射する光の色や形、勢いがその人物の心境や能力を一瞬で視聴者に伝達します。

 

我々の精神性が持っている「透明なカラダ」であるとも言えるこの「照明」は、

現実の円坐では坐衆相互の「関係空間」に、

我々の注意力でもとらえることのできる「影焼き⇒輝き」となって映り込みます。

 

その精神的な姿かたちを古来より「影身(カゲミ⇒カガミ)と呼んでいます。

日本の伝統では我々の本当の姿は肉眼では見えず、誰かと、

あるいは何かとの「関わり」が生じた時に、

「影の身」となって我々の「間」に映り込むとされています。

 

それは円坐舞台の現場認識や影舞の舞台観と重なる見解です。

 

その時、円坐舞台という影身=精神の鏡には、

美しい星空のような空間があらわれたり、

まるで暗黒星雲のような重力場が重なってきたりします。

 

円坐舞台とは、

我々の精神性の住処であるアストラル(星幽)な世界に建立される人間賛歌の舞台です。

 

一昨日、長崎市の八釼(やつるぎ)神社に創建450年の祝賀として円坐舞台を奉納した際、

土地の長老として、また端島(軍艦島)の語り部として長崎の精神文化を支える

重鎮のお一人である岡村衛(まもる)さんが

 

「影舞は天地創造の舞いである」

 

とおっしゃいました。

 

徳島の上勝町では椅子の積木「てるぺん」の発明者であり、

先祖代々上勝の土地と文化を守って来られた田上幸輝さんが、

 

「影舞は神聖なもんやね。見るたび心が洗われるんよ」

 

とおっしゃいました。

 

田上さんが紹介してくださった地元のある宗派の尊師とそのお弟子さんは、

 

「影舞は川の流れや山の緑と同じもの、空や風と同じものである」

 

とおっしゃいました。

 

真夏の広島の原爆ドームまで毎年白装束で安芸から歩いて来られる影山さんは、

ご家族を一瞬で失い、ヤクザの道に入る宿命となった経緯を語ってくださって、

 

「あんたらの舞いを見とると静かになる。

あんたらは良いことをしとる。

他人に何を言われても続けていかんといけん」

 

とおっしゃいました。

 

我々一坐はこの道を往くと決めているのですから、

自分たちが一体何を対象にして仕事をしているのか、

何が仕事の結果としての事実であるのかを真剣に考え、

対峙し、仕合い、探求しなければなりません。

 

舞台上で舞う者には見えず、

観客として見つめてくださる方々にだけ見える輝きの景色があるということ。

 

我らが求める一番大事な自分の本質は永遠に自分には見えず、

ただこの身を見つめてくださる大切な方々の頭上に輝く影身として、

「他者からの光」として反射し、我が身に還って来るのだということ。

 

すなわち我々は、

他者に照らされることでしか自分の「本当」を知ることができないということ。

 

ゆえに我々人間は皆、

大切な方々に逢うために精神の旅を続ける「一坐道中」であるのだと思います。

 

有無ノ一坐は日本の各地へ「名残りの出稽古ドサ廻り」に出向きます。

 

そして土地や人々との「関わり」という時間と空間に映る「自己の永遠性」

すなわち「本当のふるさと」を訪ねているのだと思います。

 

人々の日焼けしたしわくちゃの笑顔、

あるいは病床に横たわり指先に触れさせて頂くだけの目を閉じたお顔が、

そのまま我ら一坐が訪ね続ける「本当のふるさと」の偉大な輝きであると確信しています。

 

長崎から夜行バスで帰った朝、録画していたアニメシリーズの最終回を観ました。

 

「・・・面倒に巻き込んじまって悪かったな。

5千年前のことなんてお前たちには関係無いのにな」

 

「関係なくないですよ、ガウマさん。

ガウマさんが俺たちを巻き込んだんですよ、ダイナゼノンで。

 

ガウマさんが俺たちに関係を作ってくれたんですよ」

 

~~~~~~~~~~~~

 

「・・・きっとダラダラと長生きするためによみがえったわけじゃない。

俺には守らなきゃならない大切なものが三つある。

約束と、愛と、・・・・。」

 

~~~~~~~~~~~~

 

「怪獣の力さえあれば時間や空間、生きることや死ぬことからも解放される。

もう少しで無上の自由(悟り)に辿りつけたのに、後悔はないの?」

 

「俺にはまだ分からない。

これからうれしいことや苦しいこととかを繰り返して生きていきたいから。」

 

「君たちはそうやって無自覚に自由を失い、やがて自分自身を縛っていくんだ」

 

「俺は自由を失うんじゃないよ。かけがえのない不自由をこれから手に入れていくんだ」          

 

~『SSSS.DYNAZENON』

 

僕にとって円坐守人や影舞人であることは、

「かけがえのない不自由」 を手に入れることであり、そして同時に

 

「かけがえのない不自由を自由自在に生きること」 です。

 

有無ノ一坐  橋本久仁彦(sw.deva premi)

 

 

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開催日程 2022年 12月28日 〜 12月31日

円坐守人 橋本久仁彦 松岡弘子

宿泊費用 20,000円 (食事代など実費別途)

参加費 40,000円 (3泊4日)

宿泊場所 亀屋旅館 (大阪府高槻市芥川町)

主催 有無ノ一坐

申込:soumon.enza @ gmail.com 松岡

 

【 案内文:除夜の円坐守人:松岡弘子 】

 

「月日は百代の過客にしていきかふ年もまた旅人なり。

舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふるものは、

日々旅にして旅を栖すみかとす。

古人も多く旅に死せるあり。」

 

この松尾芭蕉の『奥の細道』の序文は、

誰もが皆読み親しんできた一節ですが、

この序文には、実は引用元があります。

 

漂白の旅人である詩人李白による、

『春夜桃李園に宴するの序文』の、

 

「夫それ天地は萬物の逆旅にして 光陰は百代の過客なり

 而して浮生は夢の若し  歡を爲すこと幾何ぞ」

 

です。

 

その李白と親交のあった高適の絶唱の詩に、

『除夜作』という感慨深い漢詩があります。

 

「旅館寒燈獨不眠  

 客心何事轉悽然   

 故鄕今夜思千里   

 霜鬢明朝又一年」   

 

(旅館の寒燈ひとり眠らず 

 客心 何事ぞうたた凄然

 ふるさと今夜千里を思う 

 霜鬢 明朝 また一年)

 

大晦日から年が明けると

またひとつ老いが深まる

なんと豊かな事でないしょうか?

 

人生の旅の景色は年々満ち満ちて、

最後マックスに向う円坐道中にて、

ご縁をお待ちしております。

 

年の最後に、

ひっそりと盛大に除夜を祝い、

パッションたっぷり円坐に坐りましょう。

 

気の早いご挨拶となります。

今年もお世話になりまして、

誠にありがとうございました。

 

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

有無ノ一坐 松岡弘子

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